Monthly Archives: July 2013

#altmetrics 2 #DORA #NISO

  • サンフランシスコ研究評価宣言(San Francisco Declaration on Research Assessment) #DORA

先ずは、ガーディアン・ネイチャー・スカラリーキッチンなどといった主要サイエンス系メディアで話題沸騰となった、サンフランシスコ研究評価宣言(San Francisco Declaration on Research Assessment、DORA)


F1000もブログで取り上げていますね。 🙂


DORAとは、2012年12月にサンフランシスコで開催された米国細胞生物学会(The American Society for Cell Biology 、ASCB)の年次会合において、Science・Molecular Biology of the Cell・EMBO Journal・The Journal of Cell Biologyなどの有力誌を含む細胞生物学分野のジャーナル編集長らの協議によって採択された宣言で、基本的にはジャーナルレベルのメトリクスの段階的な廃止・論文レベルのメトリクスの採用を勧めるといった内容、と言えます。[1] [2] [3]
その骨子は、次の3項にまとめられていて・・

The need to eliminate the use of journal-based metrics, such as Journal Impact Factors, in funding, appointment, and promotion considerations
(研究助成の採否や研究者の採用・昇進の判断材料に、IFのようなジャーナルベースの評価指標を使うのをやめる必要がある)
the need to assess research on its own merits rather than on the basis of the journal in which the research is published
(研究成果の評価は、論文がどのジャーナルに掲載されたかではなく内容的価値そのもので行われるべき)
the need to capitalize on the opportunities provided by online publication (such as relaxing unnecessary limits on the number of words, figures, and references in articles, and exploring new indicators of significance and impact)
(学術出版のオンライン化によって実現された、論文の語数・図表数・レファレンス数の不必要な制限の緩和や、重要性・インパクトの新しい評価指標の探求といった機会を活用すべき)
インパクトファクターの濫用に反対する宣言DORAに対しAngewandte
Chemie編集長は部分的に不賛同を表明、その理由は? |
ワイリー・サイエンスカフェ

DORAは、(ブログ執筆時点で)8,356人・329団体から提言を支持するオンライン署名を集めていて、例えば、米国ハーバード大学の学術コミュニケーション室長でオープンアクセス運動の中心的な人物でもあるPeter Suberも署名済み。


勿論、altmetricsを引っ張るプレーヤーたちも盛り上げています。

インパクト・ファクターは,自然科学・社会科学分野の学術雑誌を対象として,その雑誌のインパクトを測る指標として最も広く認識されている。しかし,インパクト・ファクターは「学術雑誌」の評価指標であって,「学術論文」を評価するための方法ではない。
そこで,Web 2.0時代に見合った,論文レベルの客観的評価指標を求める要請が高まった。こうしたWeb時代の要請に応じて提唱されたのが,「altmetrics(オルトメトリクス,代替的計量書誌学)」である。

坂東, 慶太. Altmetricsの可能性 ソーシャルメディアを活用した研究評価指標. 情報管理. 2012, vol. 55, no. 9, p. 638-646.

ImpactFactorを利用して研究者個人の業績評価を行うなどジャーナル単位で掲載論文を評価するという旧来の前提に大きな揺らぎが生じている。
..
研究機関では、ImpactFactorを利用して研究者個人の業績評価を行うなどジャーナル単位で掲載論文を評価するといったような業績評価方法は必然的に見直しを迫られる可能性がある。
林和弘 (2013)「研究論文の影響度を測定する新しい動き- 論文単位で即時かつ多面的な測定を可能とするAltmetrics -」『科学技術動向』(2013年3・4月号) . 科学技術政策研究所

Article Level Metrics(論文単位の研究評価指標)といえばPLoSのALMsを真っ先に思い浮かべますが、PLoSに限らず論文単位の研究評価指標(Article Level Metrics)の重要性が問われる昨今、altmetricsはDORAを追い風に、研究・開発・導入が業界全体を巻き込んで進んでいくものと思われます。
DORAが、これ程多くの署名を集めて、さて次にどの様なアクションを起こすのか、期待と注目です。

  • 米国情報標準化機構(NISO)、ソローン財団の助成を受け、Altmetricsの規格・推奨基準策定プロジェクトを開始 #NISO

5月の話題の中心がDORAならば、6月はNISOでしょう。


NISOはこれまでもaltmetricsに大変な関心を示してきており、昨年11月にはaltmetricsをテーマとしたWebinarを開催していました。

こちらはDORAと違って業界全体を巻き込んでの話題というよりも、altmetricsにかかわる超重要人物を中心に議論が展開された経緯をご紹介。
最近個人的に何かと注目のソローン財団(Alfred P. Sloan Foundation)、NISOのプロジェクトにも207,500ドル(2,000万円相当)の助成するとのこと。しかし関係者が注意を払ったのは金額そのものよりも「Altmetricsの規格・推奨基準策定」ということでしょうか。


altmetricsは、その名(alternative metrics)の通り、様々な研究成果(コード、データセット、スライドなど)を、ソーシャルメディア(Twitter、Facebookは勿論、Mendeley、CiteULikeなどのAPIを利用して)上のインパクトをリアルタイムに計ることが主流となってきています。しかしながら基本的には同じAPIを利用しての計測しているImpactStoryとAltmetric.comですら計測する対象が違うでしょうし、MendeleyのreadershipsResearchGATEのRG Scoreも広義のaltmetricsといえるでしょうが範囲はそれらサービス内に限定されています。altmetricsというのはあくまで概念であってそれを規格・推奨基準策定することはどうなの?!と思ったりもします。
勿論、altmetricsが標準化されたりして「altmetrics standard準拠」みたいなお墨付きaltmetrics toolが揃えば、研究者や図書館・出版社・助成機関などは安心してaltmetricsを利用・信頼できるということも、今のaltmetrics初期段階からすれば期待したいところです。

.. 最近注目されている”Article-level metrics”(論文単位の評価指標)のような新しい指標も、いずれはIFと同じように”engineering”(人為的な操作)の対象になることは避けられない..
インパクトファクターの濫用に反対する宣言DORAに対しAngewandte Chemie編集長は部分的に不賛同を表明、その理由は? | ワイリー・サイエンスカフェ

altmetricsは研究開発初期段階故、当然の流れとして推進派と保守派が鬩ぎ合う・・これからそんな様子をより多く目に触れることでしょう。
Googleなどの検索エンジンでいうところの検索エンジン最適化(Search Engine Optimization、SEO)の様な恣意的行為にどう対処するのか(例えば機械的RT(ReTweet)や人為的Like(いいね!)など?)、善悪でいうところの「悪」・・これまで踏み込む必要のなかった対応にも迫らせるのは、altmetricsが市場に受け入れられたなら避けては通れないところではあります。
だからと言って、「altmetricsは、よろしくない」・・と思考停止し、議論が進まないのこそよろしくありません。
NISOとその周辺の人々は、altmetricsは「研究評価の第二革命」と位置付け、多くの人が注目に値すると議論を重ね、多くのお金まで注ぎ込み、何とか現状を打開してやろうという意思を感じます。私もそんな彼らの居場所にコミットしていきたいと思うところです。
さて、そんな想いを胸に、NISOはこの難題を公言通り2年でやってのけるのでは、と期待する理由を最後に述べて・・


以前ご紹介した通り、スローン財団はImpactStoryにも助成しています。同じタイミングでスローン財団から助成のあったImpactStoryとNISO、どうやら両者の想いは同じということが、Jason@ImpactStoryがスローン財団へ宛てたプロポーザルの中に記されている一文から読み取れます。

#プロポーザルは、FigShareで丸ごと公開というオープンっぷり!!

altmetricsの第一人者でありImpactStoryのファウンダーでもあるJason Primeは、同じくスローン財団から2年間の助成を受けているNISOとともに、altmetricsの標準化に乗り出す・・altmetricsは、間違いなく初期段階から次のステージへと踏み出す2013-2014年になること間違いなしです!!

(おまけ)
そんな新たなステージへ駆け上がろうとするaltmetricsのワークショップが昨年に引き続き開催決定とのこと。


行きたいなぁ・・どなたかサポートを!w

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