Mendeley will have an impact on the library. Workshop presentation: Mendeley Institutional Edition

https://twitter.com/SwetsGlobal/status/213158867150962690

Mendeley 機関版ワークショップ「Mendeley: 研究活動の新しい基準と図書館の役割」で講演させて頂いた Swets 公認?スライドを、当日時間の制約でお話ししきれなかった追加コメント盛りだくさんで解説します。

先ずは自己紹介を。
日本人として初めて Mendeley Advisor になった(但し、公式にはどこにも記録されていない)という物珍しさから?今回スエッツ社さんに声を掛けて頂き、登壇しています。

普段は MyOpenArchive というオープンアクセス・リポジトリを運営していて、Digital Repository Librarian and Coordinator for Scholarly Communication という肩書きで主にオープンアクセス・アドヴォカシー活動をやっていて、オープンアクセスや学術情報流通全般に関心があり、最近は Altmetrics に強い興味があってこれらの情報を日々ウォッチ。
今回はスライド終盤にこれらキーワードを絡めて「Mendeley エンドユーザーの視点から」を語ってみたいと思います。

今回はお話しさせて頂くのは次の3つ。

  • 「いつ Mendeley を知り、これまでどう Mendeley とかかわり、Mendeley Advisor になったのか」
  • 「そもそも Mendeley Advisor ってどういう人?」
  • Mendeley をオープンアクセスという切り口で見た時、今後大学図書館にとって如何なる影響があるのか」

その前に、もう少しだけ私の MyOpenArchive をベースとした過去5年間(2007~2012年)の活動について、自己紹介を。

所属の機関(私立大学)で仲良くなった大学院生に、彼の研究論文を見せて欲しいと頼んだところ、印刷したものはもうないので、自宅の PC に保存してあったらそれを送る、と言われ、せっかくの研究成果がウェブ上で未公開なことを残念に思い、「未発表の学術論文を投稿・共有する」サービス立ち上げを思いついて2007年9月、MyOpenArchive アルファ版をリリース
専門家の目にも留まり少しずつ注目を集め、2008年5月にはベータ版をリリースして以来、本格的な国内でのオープンアクセス・アドヴォカシー活動が始ります。

先ずは Open Access Day(オープンアクセスの日)。
SPARC(Scholarly Publishing and Academic Resources Coalition)、Students for FreeCulture、PLoS(Public Library of Science)の3機関が協同で、2008年10月14日を Open Access Day(オープンアクセスの日)とし、オープンアクセスの意義を周知するイベントを開催。国内では SPARC Japan による特別セミナー「日本における最適なオープンアクセスとは何か?」が急遽開催され、私はそこで初めて公けの場で講演させて頂いたのです。

そして翌年、 Open Access Day(オープンアクセスの日)は Open Access Week(オープンアクセス週間)へと期間を広げ、私たちは日本語サイトをホストすることになったばかりか、独自のイベント開催を実現しました。

この後、活動範囲を海外に広げて取り組むことを決意し、2010年11月には MyOpenArchive をリニューアル
オープンアクセス運動の中心人物 Peter Suber による SPARC Open Access Newsletter では、「MyOpenArchive is an “individual” rather than “institutional” OA repository.」と紹介され、海外展開が開始します。

プロモーションを兼ねて、2011年にはリポジトリ関係の2つの国際会議、Open Repositories 2011(OR2011)CERN workshop on Innovations in Scholarly Communication(OAI7) に参加し、ポスター発表をしてきました

Mendeley とは、こうした活動の最中に出会い、リニューアルには少なからず、いやかなり大きな影響を受け、その後も受け続けています。

さて、私が初めて Mendeley を知ったのは、2010年1月。彼らのブログで、創業者の VictorJan が熱く Mendeley について語っているのに吸い込まれ、Mendeley に惚れこんでしまったのです。

それ以来、Mendeley を理解しようとウェブ上であらゆる Mendeley 情報を探りました。

Facebook, LinkedIn, Twitter、そして勿論 Mendeley 上で創業者たちとつながり、情報交換も始りました。
Mendeley、すごい、日本でももっと広まって欲しい。」そんな気持ちが日増しに強くなっていきました。

Mendeley の仕組みを知る為にも、先ずは MyOpenArchiveMendeley 対応を進めました。
ブラウザ上からワンクリックで情報を Mendeley に取り込むことが出来る Mendeley Web Importer の対象に、MyOpenArchive が対象とならないか、と考えたワケです。
これが実現し理解が深まったことで、次に手がけたのが CiNii の Mendeley 対応。CiNii が Mendeley 対応すれば、日本人研究者も多くが Mendeley を利用するのでは、と思ったのです。
非公式に CiNii の中の方に打診し、非公式に対応したのは2010年3月頃

https://twitter.com/twitterapi/status/10520994347

今でも Mendeley Web Importer のページには、しっかりと CiNii(と MyOpenArchive)のロゴが掲載されています。
因みに CiNii は、CiNii Articleリニューアルしたのを機に、自ら Mendeley 対応を済ませています。

そんな活動を経て、度々中の人たちと会話を交わすことで、いつしか Mendeley Advisor にして頂いた、というのがこれまでの経緯です。

では、そもそも Mendeley Advisor ってどういう人?って話しですが、Mendeley Advisor のページにはこんなことが書かれています。

Invite your friends and colleagues to join your Mendeley network
Organize and lead Mendeley demos and presentations
Ensure that Mendeley is represented on your Library or Society website
Add a link to your Advisor Profile in your e-mail signature
Help us learn about the particular needs of your University or Institution
Spread the word locally, using posters and flyers, and online via blogs and discussion
Mobilize your campus or local user communities
Brainstorm new, fun ways to get involved!

つまりは、Mendeley を広めてくれる Mendeley 好きな人。
大学や研究所など自身が属する機関でデモや今回渡邉さんの様にプレゼンを披露したり、研究仲間をと一緒に Mendeley 使うよう誘ってみたり、ブログや Twitter などで Mendeley のこと広めたり、e-mail の書名欄に Mendeley のプロフィールにリンク貼ったり・・
Mendeley 好きな人なら、今すぐにでも出来ることばかり。

こうした Mendeley Advisor が世界中でデモやプレゼンやってる姿を Flickr で確認することもできます。
Mendeley Presentation in Ghana

ところで Mendeley Advisor って世界中に何人いるでしょう。
CEO の Victor が5月に行ったプレゼン(下に貼り付けたビデオ参照)に依ると、約1,200人もいるそうです。

では、日本には何人いるのか?渡邉さんや私を含め、ワークショップ当日の時点で11人登録されています。

でも、国内には潜在的な Mendeley Advisor がもっともっといると確信しています。
何故なら、国内の Mendeley ユーザは、5万人程はいるんじゃないかと推測。
ワークショップ一週間前、Mendeley の中の人(Matt)に聞いてみました。「日本人ユーザって何人くらいいるの?」
すると、こんな数値を教えてくれたのです。
-From the domain ac.jp we have 8,040 users.
-From those that list Japan as their location we have 35,086 users.
ac.jp ドメインで登録している人が8,040人。プロフィールのロケーション欄に「Japan」と登録している人が35,086人。
ロケーション欄は任意の入力項目なので、実際には5万人程かなぁ、というざっくり推測ですが。
ブログや Twitter で Mendeley を言及する人、最近とっても多く見かけます。口コミで、徐々に国内でも Mendeley 圏が広まり、 Mendeley Advisor も増えていくのではと期待しています。

そんな Mendeley、国内ではここ半年(2011年11月~2012年5月)くらい話題が尽きません。
昨年11月、Wired 日本版に Mendeley の記事「知のシェア – 学術論文における理論と実践」が掲載されました。
wiredmendely

早速 Wired を入手した私は、そのことを写真付きで Tweet したところ、Victor が反応してくれました。

Wired 日本版発売の翌月、日本に初来日というタイミングの良さ。
国立情報学研究所・科学技術政策研究所・千葉大学 アカデミック・リンク・センターでの講演等、プロモーション目的だったのでしょうか。私、残念ながら都合により全て参加できず、残念ながら来日中の Victor にはお会い出来なかったのですが、この頃が Mendeley が日本で一番盛り上がりを見せた頃ではなかったでしょうか。
当日がどれだけ盛り上がったかは、ここここここここで確認出来ます。

そんな来日直後、Mendeley 時代到来を思わせる衝撃的なニュースが舞い込んできました。
2011年12月、千葉大学附属図書館は財政上の理由により RefWorks のサービス中止を決定し、代替文献管理ツールとして Mendeley 等を紹介する、とアナウンスしたのです。

追い討ちをかけるように2012年1月、Mendeley 社は英国の学術雑誌代理店大手の Swets 社と提携し,機関向けプランである Mendeley Institutional Edition をサービス開始すると発表。国内でもスエッツ インフォメーション サービス社によりサービス提供されることになり、既に機関版トライアルを試みる機関も登場。

https://twitter.com/tzhaya/status/201996426232856576

別の機関でも(当ワークショップ翌日に)講演会が予定され、 大学・研究機関での普及も時間の問題かと思われます。

数年経った時、間違いなく2012年は「Mendeley 元年だったね」と振り返る年になるのではないでしょうか。

  • Mendeley をオープンアクセスという切り口で見た時、今後大学図書館にとって如何なる影響があるのか」

さて、やっと本題?
自己紹介で「オープンアクセスオープンアクセス」と叫んだので、せっかくなので「オープンアクセス」を切り口に、Mendeley が図書館にどの様なインパクトを与えるのか、を論じてみます(という程、大袈裟なことは言えてないのですが・・)

オープンアクセスの実現手段として、ゴールドの道とグリーンの道がある
ことは、このMLの皆さまはよくよくご存知のことと思います。
グリーンを実現する方策として、大学や研究所の図書館を中心に機関リポジ
トリへの取組みが進展してきました。
一方、ゴールドの道は、
国内では、J-STAGE等により学会誌がフリーアクセスできたり、
海外では、既存の出版社が様々なバリエーションの著者払いモデルを提示し、
OAジャーナルを発行することによって実現しており、その方向性がますます
強く押し出されつつあるように思えます。

[drf:2690] 研究者みずからが安価で掲載でき るオープンアクセス雑誌をたちあげるべ きだ、という話を聞きにいらっしゃいま せんか?

2002年2月、Budapest Open Access Initiative(ブダベスト宣言)によりオープンアクセス(学術論文をインターネット上で無料公開し,自由に利用できるという障壁のないオンラインアクセスを目指すもの)が定義・提唱され、10年経った2012年2月現在、約7,500のオープンアクセスジャーナル(OAJs)と2,000を超える機関リポジトリが登場ているワケですが、オープンアクセスの2つの道、グリーンロードとゴールドロードは、今後より密接に Mendeley との関連性が強まると見ています。

先ずグリーン。
英国で、機関リポジトリと Mendeley をつなげるプロジェクト(JISC DURA project)が、ケンブリッジ大学図書館をパートナーに実験的に行われています。
Mendeley ユーザが、自身の文献を Mendeley にセルフアーカイビングすると、自動的に所属機関の機関リポジトリにも登録される、逆もまた然り。。

mendeleytoir

E. Mendeley to Repository. Mendeley develop a Sword-based methodology for deposit into the Repository for institutions who don’t subscribe to Symplectic – this will be DSpace specific in this project. Assume that this will be
a) authenticated somehow – Shibboleth?;
b) “fire and forget” – ie. Mendeley won’t retain state information about the article in the IR). To be developed by Mendeley with Symplectic support
F. Repository to Mendeley. Allowing Mendeley to acquire Køb Generic Viagra Danmark full text from the IR cialis online and associate with an academic so that this may be loaded into their Mendeley user area. To be developed by Mendeley.

JISC DURA: Project Plan Post 1 of 7: Aims, Objectives and Final Outputs of the project

世界の2,000を超える機関リポジトリの一部が Mendeley とシームレスに連携したら・・
Mendeley to Repository, Repository to Mendeley は双方にとって、即ち研究者と図書館員にとってメリットあるのではないか、と妄想します。

次に、ゴールド。
OAJs と Mendeley の相性は抜群。
Mendeley Web Importer がインストールされているブラウザから、ワンクリックで Mendely に格納出来る利便性も手伝い、OAJs 掲載の文献はますます Mendeley のライブラリに格納されていくでしょう。
こうして蓄積された情報に基づき、Mendeley Suggest という新機能が、オススメの文献情報を推薦してくれるようになるんです。ユーザが文献に付けたタグやハイライト個所等の情報に基づいて、或は類似研究分野の研究者が読んでいる論文の情報に基づいて Mendeley が新たな文献情報を推薦してくれる。。
Google ScholarCiNii Articles にキーワードを放り込んで文献を探すスタイルから、Mendeley にログインするだけでオススメ文献によりセレンディピティを体験する・・Mendeley はそんな新しいスタイルを提供してくれると考えただけでワクワクします。

かくして、ゴールドとグリーンによりますます肥大化する Mendeley は、メタデータやその付随情報を惜しむことなく API により開放し、これらの情報を活用して「Mendeley 圏」と呼ぶに相応しいアプリケーション類の数々を創出しているのがもうひとつ Mendeley の魅力で、もはや文献管理ツールの域を超える存在感を持ち始めているなぁ、と。

Mendeley API を利用したアプリ、結構あります。
その中で注目されているのが Altmetrics tool と呼ばれるもの。
Altmetrics とは、・・

・・とっても簡単に説明すると「ソーシャルメディアを利用した論文インパク新分析手法」で、その計測ツール群を Altmetrics tool と呼び、ScienceCardReaderMeter といったものが代表的によく紹介されています。
sciencecard

それらの多くは Mendeley API を利用しており、Altmetrics の中心には常に Mendeley の存在がある、いやただ単にあるだけでなく、存在感は非常に大きい。

この Altmetrics、オープンアクセス分野はもとより、科学界全般で俄然注目を集めている様な気がしてなりません。(これとかこれとかこれとかこれとかこれとか)

特に、Altmetrics に精力的なのが OAJs の筆頭、PLoS。彼らは Article-Level Metrics と呼んで、文献個々の様々なインパクトを計測し、表示しています。
alms

Mendeley 同様、PLoS も API を解放して、文献がブログやソーシャルメディアなどでどれだけ引用されているのか等、リアルタイムなインパクトを出すことは著者にとって大変重要であると認識し、取り組んでいるように受け止めてます。最近では、ScienceCard の開発者 Martin Fenner や、Article-Level Metrics に関する文献を発表している Cameron Neylon を迎え入れ(これとかこれ)、ますます Altmetrics に本腰を入れる姿勢を見せている PLoS
また当ワークショップ前夜、BioMed Central(BMC) Altmetrics toolaltmetrics.com を導入して話題に。
bmcaltmetrics

BMC も乗り遅れまいと? PLoS の取り組みに追随する姿勢を見せ、OAJs 全体として今後は Altmetrics を意識する数年になるのかなと予測します。

既存の OAJs のみならず、これから新しく刊行される OAJs は、PLoS 以上に altmetrics 対応に取り組んでくるのでは、と推測する理由はこちら。

先ずは eLIFE。こちら、Wellcome Trust がサポートするとあって豪華な布陣(例えば、元 SPARCJennifer McLennan とか)を揃えているのですが、中でも注目は PLoSArticle-Level Metrics の陣頭指揮を取っていた Mark Patterson を迎え入れるという衝撃。

更には何と Mendeley で V. P. Product を担当し、機関版の陣頭指揮を取っていた Ian Mulvany まで eLIFE 移籍という衝撃

そしてもうひとつの注目は、PeerJ
こちらも Altmetrics の重要性を熟知した面々が立ち上げるといって、ブログ下書き最中に話題超沸騰(これとかこれとかこれとかこれ)。
eLIFE 同様、PLoSMendeley からやってきた注目の人物は Peter BinfieldJason Hoyt
Peter なんてつい先日まで Mark 同様 Article-Level Metrics を語っていたのは記憶に新しいところです。

こうした「人の動き」から言えるのは、新しい OAJs は AltmetricsMendeley を常に意識したサービス展開するんじゃないか、ということ。

https://twitter.com/thePeerJ/status/212995925164044288

そしてこうした動向は、機関リポジトリにも近い将来波及し、対応を余技なくされるでしょう。
こうした点については、昨年の OR2011 http://stillbirthalliance.org/buy-viagra-todayOAI7仲良くなった @mireBram に聞いてみようかな、というのが今年の OR2012 への参加動機のひとつだったり。そして勿論、MyOpenArchive もどう対応すべきか考えていかねば。

グリーンにおける DURA Project を代表とする Mendeley と機関リポジトリの関係(Symplectic の取り組みにも注目ですね)、ゴールドにおける Altmetrics を意識した OAJs 、こうしたオープンアクセス界隈の一連の動向は、もはや Mendeley の存在なしに語ることは不可能。

そして、これら一連の学術情報流通のど真ん中にいて全ての動きに絡めるのが「図書館」ではないでしょうか。

そういう意味で、Mendeley は近い将来、図書館にとっても大きな存在感として君臨する、これが「Mendeley エンドユーザーの視点から」見た私なりの Mendeley と図書館の関係論、です。

最後の方は暴走して Altmetrics な話に脱線し、当初予定5分の講演時間を大幅も大幅にオーバーして終了。時間の制約でお話し足りないこと多々ありましたが、こうした場を設けて頂いたスエッツ社さんには改めて感謝申し上げます。

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