MendeleyとwriteLaTeXコラボで実現されるクラウド研究管理術(と、これをベースに構成してみた書籍(執筆)のご提案)

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みんな大好き文献管理サービスMendeleyと、論文執筆ツールwriteLaTeXが連携するようになりました!


そもそもMendeleyにはWord用プラグインが用意されていたので、Mendeleyで文献を管理しつつ、Wordで論文執筆する際にMendeley内の文献を引用して自動で参考文献リストを生成、なんてのは可能でしたので特段驚くべきことではない、のでわざわざブログに書き起こすことではなーい!とお叱りを受けそうではありますが、驚きの本質はそこにありません
MendeleyとwriteLaTeXの連携により、文献検索→文献管理→論文執筆→論文公開→研究成果管理→研究評価管理までの研究管理が全てクラウドサービスで、非常にスムーズ且つ効率的に行えるようになった、というの点が事の本質にあります。
そんな想いを絵にしてみたのが冒頭のもの。

 

 

そして、すぐさまこの書籍を思い起こしました。
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via [L] すべての研究者に時間の贈り物を「理系のためのクラウド知的生産術」(講談社ブルーバックス) | Lifehacking.jp

Mendeleyも紹介されている本書は、Lifehacking.jp管理人の堀さんらしいクラウドを活用しまくる「理系研究者のためライフハック本」で、私の愛読書でもあります。そう、「ああ、こんな本を書いてみたいな、僕なりに。」という憧れの書でもある。

「理系のためのクラウド知的生産術」をイメージしながら、「こんな本あったらな」「大学図書館がこんな構成でガイダンスやってくれたらな(自分だったらやりたいな)」或いは「堀さんとこんな本を共著できたらな(笑)」という考えをまとめてみましたので以下掲載。

 

 

研究のサイクルにおいて、
0.文献検索
1.文献管理
2.論文執筆
3.論文公開
4.研究成果管理
5.研究評価管理
という各プロセスにおいて、研究者向けに特化したクラウドサービスを紹介しつつ、各プロセスの連携を重要視して構成を組んであります。
0.文献検索
1.文献管理
2.論文執筆
については大学図書館でもガイダンス開催などで力を入れているところでもあり、一般的なやり方や所属研究機関の推奨といった他人の意見を聞きやすい・聞き入れやすい内容かと思いますが、
3.論文公開
4.研究成果管理
5.研究評価管理
についてはなかなか体系的に解説されている本・ガイダンスといった機会があまりないかと思います。
論文は公開してからの後フォローこそ大切で、その重要性と容易に管理できる手法を説くことに挑戦してみました。

 

  • 第0章 はじめに
  • 第1章 文献検索:タダで手に入る研究成果と、有料のものがある

本章では先ず日頃ググることに慣れている方が対象であることを前提として、研究成果を検索するには特別な検索サービス・検索対象があり、所属研究機関によっても当たれるデータベースが違ったりするところから解説ます。オープンアクセスという概念を解説した上で、google scholarやcinii或いはpubmedといった無料で使えるサービスの利用法と、機関契約しているデータベース或いはディスカバリーサービスの利用についても可能な範囲で紹介します。意識すべきは、必要な文献が見つかった場合、その情報を入手した後どう管理するか、という次章(文献管理)を意識しつつ文献検索する、といったところです。

  • 第2章 文献管理:世界の常識、Mendeley活用法

世界中に300万人を超える利用研究者がいる無料のクラウド型文献管理サービスMendeleyを利用前提として、前章(文献検索)で入手した文献の効率的な管理法について解説します。共同研究者がいる場合、どの様に文献情報を共有するか、といった方法に加え、iPadを使ったりサードパーティ製の便利なツールを併せて使うことでより効率的に文献管理できるアイデアも伝授します。

  • 第3章 論文執筆:wordで論文執筆するのは時代遅れーー研究者向けgoogle docsと呼ばれるwriteLaTeXを使い倒す

最終的にwordやpdfの形式で論文を投稿するのは否定しません。しかし、論文執筆の段階でwordいやgoogle docsですらを利用するのはもはや時代遅れです。研究論文を執筆するために生まれたwriteLaTeXを利用しましょう。前章(文献管理)で紹介したMendeleyで管理している文献をスムーズに引用し、自動的に引用情報を生成することができることはもちろん、PeerJF1000Researchといったオープンアクセス誌に投稿するプロセスまで組み込まれています。

  • 第4章 論文公開:研究成果は研究データとともにdropbox、否、研究者向けdropboxであるfigshareに保管し、公開用DOIをゲットする

論文執筆前段階で投稿先を意識されていますでしょうか。writeLaTeXではPeerJやF1000Researchといったオープンアクセス誌と連携している他、容量制限なしの研究者向けdropboxであるfigshareに研究成果を保管できます。公開・非公開を自由に設定でき、公開した場合は研究成果に必須のDOIというIDが付与されます。これが最終章(研究評価管理)で重要な意味合いを持つことになるのです。

  • 第5章 研究成果管理:紙のCVに取って代わる、世界標準の研究者ID「ORCID」に成果をまとめる

今後オンライン上での研究活動において「あなたはだれ?」「わたしはわたし」を代弁してくれるIDサービスが必要不可欠になるでしょう。既に100万人のID取得者がいて、出版社・研究機関・研究助成機関がID取得を推奨する世界標準の研究者ID「ORCID」にあなたの研究成果をまとめましょう。研究者IDは、ResearcherIDresearchmapなど複数ありますが、容易に統合できるツールも用意されており、それらも紹介します。

  • 第6章 研究評価管理:ソーシャルメディア時代の新たな研究評価指数altmetricsを意識するーーImpactstoryを利用して

この章では、オンラインで公開した自身の研究成果が、専門(オンライン)誌やブログ、ソーシャルメディアなどでどの様な評判となっているかを計る新たな取り組みaltmetricsの概要について解説した後、どの様にaltmetricsを確認できるのか、AltmetricImpactstoryというふたつのツールを紹介します。前章(研究成果管理)でORCIDに研究成果を管理できていれば、Impactstoryがその情報を自動取得して全ての研究成果のaltmetricsを概観することが可能となります。altmetricsは新たな概念ではありますが、今後重要な指標となる可能性があり、終章で押さえておきます。

  • 第7章 おわりに

 

 

今回ご紹介する研究者向けクラウドサービスの殆どは、ここ数年に生み出されたものばかりであり、ひと昔前に文献管理ツールをEndNoteからMendeleyに移行した方ですら、「Mendeleyは知ってるが、その他・・」というものが多いかもしれません。
こうした情報は、研究をしながら情報収集し、試して評価し、取り入れるか判断して、利用しつつ他に類似の新しいサービスがでないかアンテナを張る、なんてことは不可能な分野です。
そこに大学図書館員や研究アドミニストレーターといった方々が研究支援を担う立場として期待されるでしょう。

ここでご紹介したサービスだけが研究サイクルを便利にするツールではありません。
「理系研究者のためライフハック本」で紹介されたサービスがそうであるように、新しいサービスの登場により淘汰されるものもあれば、より便利になり他サービスとの連携も強化されて手放せなくなるツールも出てくるでしょう。
基本的には無料のサービスばかりですが、有料オプションを使ってでも自身の研究サイクルに必要不可欠な愛用ツールが数年後にも生き残っているかもしれません。
そんな期待を持つことができるツールを厳選しました。

オープン時代、ソーシャルメディア時代の研究者にとって、効率的なところはとことん効率的に研究管理に利用していただきつつ、本来の研究に没頭できる研究活動支援の一助となれば幸いです。

そのきっかけとして、本書が活用されれば、著者として本望です。ぜひ、興味のあるかたは手に取ってみてください。

 

 

・・みたいに言い切れるといいんだけど。笑

Don't be shellfish...Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+Share on LinkedIn